TeX(テフ)は、組版ソフトと言われるもので、主に複雑な数式をコンピューター上で記述するために、数物系でよく利用されるものですが、人文・社会科学系でも、非常に利用価値の高いものです。サンプルのような図表を作成して、高品位な印刷結果を得ることができます。全てフリーで利用できます。
TeXのインストール方法や、詳しい利用方法は、他のサイトにお任せして、このページでは、TeXを利用する上で役立つTipsを、幾つか紹介することにします。
最も詳しいサイト:
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/
- TeXのインストール方法
現在、日本語のTeXでは、W32TeX系とTeXLive系が主流ですが、オープンタイプフォント(OTF)の利用を考えると、TeXLiveの方がおすすめです。
詳しいインストール方法は、下記のサイトを参考にしてください。
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/?Microsoft%20Windows
TeXLive(Windows版)の唯一の欠点は、内部に不完全なPerl環境を所有しているところにあります。このため、TeXLiveの内部から、Perlの全機能を利用したい場合には、問題が起きます。しかしこの問題は、下記の方法で解決できます。
- TeXLiveでのTeXworksの設定
文章を実際に記述するためには、TeXworksという専用エディタを利用しますが、TeXLiveでインストールしたばかりのTeXworksの設定は、日本語TeXの標準システムpLaTeX2eが利用できるようになっていません。次のようにして設定します。
- TeXworksの「編集」から「設定」を選びます。
- 設定画面が出たら、「タイプセット」タブを選び、「+ボタン」をクリックします。
- 画面のように新しいタイプセットの方法を設定する画面が立ち上がります。
ここで、次の項目を入力します。
名前:pLaTeX2e(書き換え入力)
プログラム:(参照から選択)
C:/texlive/2014/bin/win32/ptex2pdf.exe
引数:(一つずつ+ボタンで入力)
-l
-i
-ot
$synctexoption -kanji=utf8
$fullname
 |
 |
入力前 |
入力後 |
「実行後、PDFを表示する」を選択して終了。
- TeXLiveからPerl(完全版)を利用する方法
この方法は、ほとんど知られておらず、TeXLiveの内部からPerl(完全版)が利用できなくて困っている人が多いようです。
- StrawberryPerlのインストール
Windowsでは、以前、ActivePerlを利用することが多かったのですが、現在ではStrawberryPerlの方がおすすめです。StrawberryPerlからは、UNIXと同じように、CPANのライブラリを利用できます。
http://strawberryperl.com/
- tlperlフォルダのリネーム
C:\texlive\2014\tlpkgフォルダに移動。
tlperlフォルダをtlperl_などにリネーム。 <==バックアップのため
- コマンドプロンプトから、StrawberryPerlフォルダへのシンボリックリンク作成
mklink /D C:\texlive\2014\tlpkg\tlperl C:\strawberry\perl
以上です。これだけの設定で、TeXLiveの内部から、Perl(完全版)を利用することができます。
- 適切なBB(BoundingBox)情報を持つeps画像の作成
TeXの文書に画像を挿入する時、epsのBB(BoundingBox)情報が間違っていると、正しく画像が表示されません。BB情報の修正には、様々なツールが存在しますが、現状では下記の方法が、最も適切なBB情報を持ったeps画像の作成方法です。
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dvipsで初めからepsを作成する
dvips -E -D 1200 xxx.dvi -o out.eps
epstool --copy --bbox out.eps xxx.eps
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適切なBB情報の入力
epstoolで作ったeps画像のBBは、あまりにも画像に近すぎて、画像の端が切れてしまうことがあります。下記の方法で、BB情報を修正することによって、適切なBB情報を持ったeps画像にすることができます。
epsファイルをテキストエディタで開き、下記の部分を修正する
%%BoundingBox: 106 387 547 695 <==始めの2つの値を-1、後の2つの値を+1
%%HiResBoundingBox <==行を削除
- 注意事項
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